鉄道写真と飛行機写真の撮影紀

2009年の表紙写真集

鈍行列車で行こう……

2009年1月の表紙
しんしんと降り積もった白雪を踏みしめながら、列車はやってきた。決して多いとはいえない乗客を乗せて、ゆっくりと、だけど確実に次の駅へ、列車は動き出す。ゆっくりだっていいんだ。目的地を目指して進むことが大事なんだ。そんなことを教わった気がした。

この道が未来へ通じる……

2009年2月の表紙
マイナス18℃まで冷え込んだ朝、ディーゼルの排気は一瞬にして凍る。この先には険しい峠も待ち受ける。雪深い山中もあろう。でも、この道が未来へ通じているから、待っている人たちがいるから、だからこそ力強く、列車は駅を発ってゆくのだ。

雲の上は、いつも晴れ!

2009年3月の表紙
飛行機に乗る度、ぼくは勇気をもらうのです。下界がどんなに厚い雲に覆われていたとしても、一気に雲を突き抜ければ、そこにはいつも太陽が輝いている。思い切って飛び上がる、思い切って突き抜ける。そうすれば、苦難はきっと乗り越えられるのだと。

春風そよそよ散歩道……

2009年4月の表紙
目的地の桜はまだ咲いていなかった。失意の中で帰路につく。その中で見つけた桜並木。小さな川の堤防にたくさんの春の情景。来る時には見えなかったものが帰るときに見えてくる。春のにおいをたっぷり含んだ風を感じながら、その幸運に感謝する。

川風と共に行く旅……

2009年5月の表紙
とんでもない勾配の細い山道を車はぐんぐん登る。途中で見下ろすことはしない。なぜなら、楽しみは後に取っておいた方がいいから、というより、怖くてこの先登れないといけないから。頑張った向こうにほら、絶景が見えてきましたよ。

潤いを、心の中へ……

2009年6月の表紙
青々と育ちゆく田んぼのほとりを、濡れそぼる古い街並を車窓から眺める。雨に煙る山里を巡るうち、いつの間にか、心が潤いで満たされていることに気がつく。梅雨時の旅もまたいいじゃない、そんなことを思った。

清き風、運ぶ旅路は……

2009年7月の表紙
雄大な十勝岳連峰の方角から、清らかな風が吹いてきた。丘に咲く花々がその風にゆらりと揺れる。北の大地の夏は、その短さを自身で悟っているかのように鮮烈だ。北限の鉄路が運ぶその短い夏の風に、都会人の疲れはあっという間に癒されていく。

想いは風に乗って……

2009年8月の表紙
丘に上がると、美しい向日葵とラベンダーがぼくを出迎えてくれた。照りつける太陽は厳しいけれど、丘には涼やかな風が吹いている。この感動は丘の向こうにいるあの人に届くだろうか。いや、きっと届くさ、この風に乗って丘を越えて……。

黄金の楽園、どこまでも……

2009年9月の表紙
黄金に色づいた稲穂が広がっていた。その中をディーゼルカーが軽快に進む。BGMはヒバリのさえずり。ずいぶんと涼しくなった風が時おり吹きぬける。写真、撮り続けてきてよかったと、心の底から思った。

あした天気になぁれ

2009年10月の表紙
夕焼けが見られると、明日はお天気になる。昔そう教わった。実際はそうとも限らないんだけど、そう思うと、なんだかうれしくなるじゃないか。これから否応なしに迫ってくる闇夜だって、明日は晴れると思えば立ち向かえる。そんな気がするじゃないか。

全てが名残りの秋景色……

2009年11月の表紙
国鉄型気動車の楽園といわれた米坂線に、明日から新型車両がやってくる。来春には全ての国鉄型気動車が引退する。沿線の美しい紅葉をこの車両で眺めることができるのも今年が最後なのだ。そう思うと、全てが名残惜しき絶景に思えた。

星の数ほど幸せを……

2009年12月の表紙
何千何万にも及ぶ電球やLEDで彩られるクリスマスイルミネーションの街を歩くと、不思議と幸せな気分になる。夜空には満天の星空も見える。星の数ほどの幸せが、来年はみんなのところに降りますように。そんな願いを込めて、一枚一枚シャッターを切る。