鉄道写真と飛行機写真の撮影紀

2012年の表紙写真集

吹雪に負けず飛び上がれ……

2012年1月の表紙
滑走路の端が見えないほどの激しい雪に見舞われた函館空港。白く覆われた世界の向こうから聞こえてきたエンジン音。来るか、飛ぶか。突然姿を現した飛行機が轟然と飛び立っていく。雪なんかに負けるかとでも言うかのように。

闘え、北の戦士たち

2012年2月の表紙
世界が真っ白になるほど降り続く雪の中、轟然とカーブの向こうから姿を現した北海道日本ハムファイターズ塗装のニセコエクスプレス。厳しい寒さと豪雪の中を、今日も負けずに走る北の大地の鉄道もまた、立派な北の戦士たちである。

早春の喜びの中を……

2012年3月の表紙
暖かい車内でうとうとして、ふと目を覚ますと、線路脇ではたくさんの菜の花が咲いていた。思わず途中下車して早い春を楽しむ。南房総の春は早い。早春の喜びの中を、古いディーゼルカーが菜の花尻目に楽しそうに駆けていく。

そこに春があった……

2012年4月の表紙
満開の桜が出迎えてくれた信濃川田駅。これまでたくさんの人々の別れや出会いを見守ってきたこの駅も、今月からもう列車はこない。それでもぼくは忘れないだろう。そこに春があったことを、そして鉄路が存在したことを。

幸せを包み込むように……

2012年5月の表紙
足利のシンボルともいえる、あしかがフラワーパークの大藤が今年も見ごろを迎えた。大きく枝を広げた藤の下に入ると、心がすっと落ち着いてきた。暖かく幸せを包んでくれるような大藤の下に、いつまでもたたずんでいたいと思った。

水もしたたる……

2012年6月の表紙
都会を走る鉄道の線路端。紫陽花が雨粒に濡れ、しっとりと車窓を彩っている。そんな中をさっそうと駆け抜ける都会の電車たち。その姿は雨の中でもカッコよく、さながら、水もしたたる何とやら……。そんなことを思う線路端のカメラマン氏です。

夏海特急、出発進行!

2012年7月の表紙
夏休み。久々の旅行。行き先は海。特急列車が刻むレールの音も心地よく、その期待は否応なく高まっていく。そしてトンネルを抜けた列車がさしかかった鉄橋。そこからは夏色に輝く海が見えた。さぁ、一生忘れられない夏休みの始まりです。

爽やかな風に逢いに行く

2012年8月の表紙
夏の暑さに嫌気を感じたら、ぜひ高原地帯へ足を伸ばしてみてください。涼やかな高原の風は爽やかで、都会の喧騒を忘れさせてくれます。いつもより気持ちよく感じる陽光の下、ソフトクリームでも頬張れば、疲れが飛ぶこと間違いなしです。

秋空しゅっぽしゅっぽ

2012年9月の表紙
秋空は高くすみ渡り、黄金の穂波は爽やかに揺れる。お出かけ日和となった秋の休日。小さな蒸気機関車は一生懸命客車を引っ張り、シュッポシュッポと駆けていく。こんな気持ちのよい日がずっと続けばいいと心から思う、そんな情景でした。

晴れの日の午後、港町で

2012年10月の表紙
山の上にある小さな城跡からは、昔ながらの漁港と港町を見下ろすことができた。河口を渡る鉄橋を、リゾート列車「海幸山幸」が通過する。ゴトンゴトンという音が、遠くからかすかに聞こえてきた。港町の午後は静かに時を刻んでいた。

オレンジ色の競演

2012年11月の表紙
全国でも数少なくなった通称湘南色の電車が、色づき始めた名勝諏訪峡にさしかかる。この組合せを見ることができるのもいつまでだろう。一期一会、今ある風景をそのまま切り取ろう。いつの日か、それが素晴らしい思い出の一枚になるのだから。

流れ星のように……

2012年12月の表紙
東京駅を出発したN700系のぞみ。きらきらと輝く東京のビル群の中を、静かに、しかし力強くスピードを上げていく。極限まで贅肉を切り落とした最新鋭の新幹線は、さながら夜空を流れる流れ星のように、星空またたく東海道へと旅立っていった。